飼うまでのきょうかしょ

初めて保護猫の里親になるあなたに~絶対に見てほしい譲渡経験者のアドバイス~

「いつか猫を飼いたい」「飼うならペットショップじゃなくて保護猫の里親になりたい」
少し前まで、私も同じ気持ちでした。

ですが、一言にペットと言っても、大事な命であるからこそ気軽に行動に移せるわけではありません。今、あなたがこのページに辿り着いたように、私自身も飼うことに様々な不安や気になることが生まれてきました。

そこで、この記事では同じような不安な気持ちを抱える人のために、私自身が保護猫の里親になるまでに気になったこと、実際に飼ってから気づいた注意点を実体験をもとにアドバイスいたします。

保護猫の里親になるということには大きなメリットがある

まずはじめに知ってもらいたいのが、保護猫の里親になるということは猫側・人間側それぞれにとって大きなメリットがあるということです。

今すぐ助けが必要な命を救える

保護猫の里親になる最大のメリットは、今すぐ助けが必要な命を救うことができるということです。

環境省のデータによると、平成29年度中に各自治体で引き取られた猫の数は62,137匹にも上り、その内34,854匹が殺処分されています。ちなみに、その多くが子猫です。

保健所の収容数に限りがある故の悲しい現実であり、今この時も、殺処分という順番待ちをしている子達がいます。里親になるということは、こうした今すぐ助けが必要な子達の命を救うことができるのです。

ペットショップで購入するよりも費用がかからない

保護猫を譲り受ける場合、原則として猫自体の代金はかかりません。かかる費用としては、保護している間に発生した検査やワクチン代などの必要経費のみ。保護している人によってはその必要経費すら負担してくれる場合もあります。

ペットショップやブリーダーから購入する場合、大抵10万円は軽く超えるため、その分迎え入れる猫にお金を使うことができます。このメリットは人間にとってはもちろん、猫側にとっても大きなメリットです。

里親になるには様々な条件がある

ここまで保護猫の里親になるメリットをお話ししましたが、「やっぱり里親になることは良いことなんだ!」と早まってはいけません。これは、里親になる場合に限った話でありませんが、猫を迎え入れるために必要不可欠な条件があります。

安定した収入が必要

家族として迎え入れるということは、今後10年や20年もの歳月を一緒に過ごすことになります。その間、決して猫に不自由させることがないように安定した収入が必要です。何故なら、猫は環境の変化にとっても敏感だからです。

収入が減ったり、途絶えたりした場合の変化は間違いなく猫にとって間違いなく悪い影響を与えます。想像すらしたくないことですが、一緒に生活することが困難になった場合、再びその子は居場所を探す無くてはならないことになります。

そんなことが起きないよう、安定した収入は必要不可欠です。せめて、猫にかけられる費用を予め貯金しておく必要があります。

猫の相手が出来る時間が必要

最低でもあなたの生活の1時間は必ず必要です。ご飯の準備やトイレなど、お世話にかかる時間はもちろんのこと、相手をしてあげるという時間も必要不可欠です。なぜかというと、その時間の有無によって猫の体調の変化に気づけるかどうかが関わってくるからです。

猫は話をすることができません。たとえ体調が悪くても、自ら飼い主にアピールすることはありません。そういう時には、私たち人間が気づいてあげる必要があります。毎日見て、毎日触れることで「目の様子がおかしいな…」「頭の後ろ側にできものがある!?」と気づくことができるのです。

私自身も、毎日スキンシップの時間を必ず用意しています。結果、調子の悪いことにいち早く気付け、獣医師からも「よくこんなことに気付けたね」と驚かれるほど早い処置をすることができました。

また、猫の性格にもよりますが、大抵の猫は甘えん坊です。相手をする時間が無いだけで体調を崩してしまうような子も少なくありません。

ペットではなく、家族という自覚を持って

ここまで保護猫の里親になるメリットや気になること、様々な注意点を書いてきましたが、実際に里親になった私が最もあなたに伝えたいことがあります。

あなたが迎え入れようとしているのはただのペットではありません。ありえない程毛むくじゃらな、1~2歳の赤ん坊を家族として迎え入れると想像してください。

赤ん坊と同じく、会話はできません。いたずらもたくさんします。ものすごくわがままですし、想像を超えるほど手がかかります。でも、それが大切な家族なら、一緒に生活することの大変さなんてなんてこないと思えるはずです。

猫の最高の良さであり、最大の愛しさを感じるところでもあります。