猫にとって、トイレはとても大切な場所。いつもきれいなトイレを用意してあげましょう。清潔さとともに、大切なのがトイレの置き場所です。最初から、置き場所に適したところに設置し、移動を行わないのが理想ですが、移動が必要になることもあると思います。今回は、猫のトイレ移動で気を付けておくべき点をまとめてみました。
目次
トイレは猫にとって大切な場所
あなたにとって、トイレはどんな場所ですか。もし、いつも周りに人がウロウロしているようなトイレなら、落ち着いて用を足すこともできないと思います。猫だって同じです。どんなにおおらかに見える子でも、意外とナイーブなのが猫という動物。人間と同じように、トイレは猫がひとりでホッとできるパーソナルスペースです。
トイレが気に入らないと、なるべく使わないように我慢して膀胱炎になってしまう猫もいます。また、人間に「この場所はイヤ!」と分かってもらうため、わざとトイレ以外の場所に粗相をする猫もいます。トイレは用意さえしておけばいい、というものではありません。
猫はきれいなトイレが好き
猫はとってもきれい好きな動物といわれ、トイレも汚れていると使いたがりません。というのも、猫の鼻はとても高性能で、人間の数万~数十万倍もの嗅覚を持っています。猫砂を入れ替えたとたん、トイレにやってくるのも砂がきれいになったと匂いで分かるからです。猫が排せつしたトイレは、こまめに掃除をしてあげましょう。
トイレの大きさは?
外で暮らしている猫は、自分のくつろぎエリアから少し離れた場所をトイレにします。1か所に固めて用を足すのではなく、広いスペースを大きなトイレとして自由に使うのが猫のスタイルです。
室内で暮らす猫に、野外ほど大きなトイレは与えられません。でも、本当はゆったりしたトイレが猫の好み、ということは知っておいてください。室内用のトイレは、体の1.5倍くらいのサイズのものを用意してあげると、気に入ってくれるはずです。市販のトイレは小さめのものが多いので、プラスチックの収納ケースなどを、利用してもいいですね。
トイレの砂はどれがいい?
猫砂には、様々な種類があり各社から多くの製品が発売されています。素材で分けると次のような特徴があります。香料付きの商品もありますが、匂いに敏感な猫は嫌うこともあります。
- 鉱物系(ベントナイト) 自然の砂に近く、もっともメジャーな猫砂。価格も安価で、多くの猫に評判がよく、吸水力も高い。粒が細かいものは、周囲に散らばりやすいことがある。
- 紙製 紙製の猫砂に、吸水ポリマーを使用するなどの加工を施した製品。軽いので扱いやすく、トイレに流すことができる商品もある。
- 木製 檜チップなど木材を使用した製品。消臭効果が高く、トイレに流せる製品もある。
- 植物系 おから、お茶殻などを主原料とし、軽くて扱いやすく、土にかえすこともできる。原料は食物でも、防腐剤が入っているので口には入れない方がいい。
- シリカゲル系 消臭効果に優れているが、価格が高い。
トイレ掃除のしかた
どの種類の砂を使っていても、少なくとも1日1回は、糞尿で汚れた部分や、固まった部分の猫砂を取り除きます。砂を取り除いたら、新しい砂を補充しておきます。
鉱物系の猫砂の場合、トイレを週に1~2回は丸洗いしなければいけません。大きいトイレのほうが猫は快適ですが、掃除はしにくくなります。シンクに入らない大きさだと丸洗いしにくいので、どこでトイレを洗うのか考えておかなければなりません。小さめの丸洗いしやすいものにして、こまめに洗ってあげた方が猫は快適、という場合もあります。
トイレの置き場所はとても大切
猫と人間のトイレ希望場所
猫は、食事場所や寝床からそれほど離れておらず、落ち着いて用を足せる場所にトイレがあると気に入ります。人が気ぜわしく行き来する、廊下や玄関、ドアの近く、流し台の下などでは、落ち着きません。常に人目があったり、テレビの音がうるさかったり、あまりにも無防備な部屋の真ん中といった場所も、嫌がる猫が多くいます。
人間の側の都合をいうと、病気予防のためには猫の排泄の様子をチェックできるのが好ましい場所です。糞や尿の観察だけでなく、排泄する様子を見ることで、泌尿器系の病気などを早期発見できます。臭いが気になる、という意見もありますが、消臭効果の高いものを使うことで解決するかもしれません。
トイレの理想的な置き場所
換気がしやすく、落ち着いて用を足せる場所が、猫にとっても人間にとっても都合がいいトイレの置き場所です。具体的には、窓のある風呂場の脱衣室、あまり使っていない部屋のすみ、などが適しています。人気のない場所は、排泄の様子を見守りにくくなりますが、元気な猫なら、いざというときだけそっと見守ればいいかもしれません。
きちんと排泄の様子を見ていたい、という希望があるならリビングのすみに置くのもいいでしょう。猫は、トイレの様子を見られると恥ずかしい、と思うわけではありません。落ち着いて邪魔されずに使えるのであれば、見られていることに不都合はありません。とはいえ、パテーションなどで仕切ってあげると、猫がより落ち着くパーソナルスペースができあがります。
トイレの周りを猫が汚す時の対策
猫は用を足した後、砂を掘り返し排泄物にかけようとしたり、砂の上で暴れたりすることがあります。すると猫砂がトイレの外に飛び散り、掃除が必要になります。あるいは、トイレ以外の場所で粗相をしているのでしょうか。掃除の手間や衛生面を考慮して、場所の移動を検討しているのなら次のような手もあります。
カバー付きのトイレにする
カバー付きのトイレにすれば、砂は飛び散りにくくなります。囲われることで個室感がでて、猫も落ち着きます。猫によっては、今までのトイレと違うと怖がるので、いつまでも慣れないようならあきらめましょう。
トイレ周りにラグを敷く
トイレの周りに砂をまき散らしているのなら、洗えるラグやマットを敷いておくと掃除が楽になります。トイレから出た猫の足裏の砂が落とせるので、他の部屋に砂が散らばりにくくなります。
ビニールシートやペットシーツを敷く
砂だけでなく、排泄を周りでするような場合、ビニールシートやペットシーツをしく方法もあります。ただしこの場合、病気でトイレに行きにくい、トイレが汚くて使いたくない、といった原因も考えられるので、様子をよく観察してください。
猫のトイレ移動を成功させる秘訣とは
猫は環境の変化に弱い動物
猫は環境の変化を、あまり好みません。ですから、トイレの場所も変えない方がいいのですが、人間の都合で置き場所を変更することもあります。また、現在のトイレの場所を猫が気に入ってないようなら、もっといい場所に移動したほうがいいでしょう。
新しいトイレの置き場所は、猫と人間に理想の置き場所なども参考にしてください。できれば今あるトイレより、条件の良い場所においてあげましょう。具体的にトイレの置き場所を移動する方法は、次のようになります。
トイレの場所を移動するとき他のものは変えないこと
トイレの場所を変える時には、他のものはなるべく同じにしておいてください。猫はトイレの場所が変わるだけでも、「あれ?」と思っているはずです。身についた習慣を自分から変えたがる猫は、ほとんどいません。
新しい場所、新しいトイレ、新しい種類の猫砂、というように何もかも変わっていると戸惑いが大きくなります。環境の変化に弱い猫にストレスを与えると、それが原因で病気になってしまうこともあるので注意が必要です。
新しいトイレの場所を猫にしっかり教える
トイレの場所を変えたら、どこに移動したのか猫にしっかり教える必要があります。最初のうちは、猫がトイレに行きたそうなしぐさをしたら、連れて行ってあげましょう。
新しいトイレの場所が分からないと、猫はしかたなく適当な場所で用を足してしまいます。そういうクセが一旦ついてしまうと、直すのはたいへんです。
2つ猫トイレを置いてトイレの引っ越し
猫が気に入るような場所への移動なら、今使っているトイレをそのまま持っていき、「ここが新しいトイレだよ」と教えるだけでうまくいくかもしれません。
もう少し丁寧に誘導するなら、今までの場所と、新しい場所、2か所にトイレを置いて様子を見てみましょう。新しい場所に、今まで使っていたトイレを設置すれば、スムーズに切り替えやすくなります。新しい場所のトイレを使いだしたら、元の場所のトイレは片づけてください。
少しずつ猫トイレの場所を変えていく
場所自体にそれほどこだわりがなさそうなら、徐々にトイレの置き場所を移動させていく方法もあります。今まで使っていたトイレを、毎日ほんの少しずつ変えていき、猫についてきてもらいましょう。